#18 シャフトの役割

アイアンショット

ゴルフにとってゴルフクラブはとても重要で,かつゴルフクラブとプレーヤー自身との相性はとても重要な項目になります。

ここでよく問題になるのが,どのシャフトがいいの?て問題です。
ゴルフクラブのヘッドは,ロフトや重心,長さなどプレーヤーのスイングに合わせたセッティングができます。しかし,シャフトに関しては選択肢が多すぎてどれを選べばいいかわからない。
フィッティングに行ってもしっくりくるのがなかなか見つからない。

今回はシャフトについてどんな動きをするのか。そして,自分に合うシャフトってどういうことなのか。解説していきます。

スイング中のシャフトの動き

スイング中にシャフトは色んな方向に負荷を掛けられしなり動きます
プレーヤーとゴルフクラブの接点はグリップしている手しか接点がありません。
なので,シャフトのしなりは手からのエネルギーによって与えられていると言えます。
もちろん外力として,重力や空気抵抗,遠心力なんかもあります。以前にシャフトにかける負荷についてお話した回がありますので,そちらもぜひ読んでいただけると幸いです。

ではスイング中にどんなシャフトのしなりが起きているの見てみましょう。

ロリーマキロイ

ダウンスイング以降ではゴルフクラブはこのような軌跡を描きます。
とてもエネルギー効率がいいプレーヤーの運動はこんな感じです。
細かく見るとこのように見えてきます。ではスイング全体の動きを解説していきます。みんな大好きJTです。

アドレス
P2少しシャフトがしなってるのがわかる
P3。P2で受けたしなりが戻り始める。
P3.5ここでしなりも戻りが解決し,シャフトが真っ直ぐになる。
P4シャフトはまたしなり身体はこのしなりを受け止める
P4.5どんどんしなりが強くなる
P5しなりが最大に。グリッププレッシャーもP4からP5が最大になる
P6。P4.5〜P5で受けたしなりが戻り,シャフトがまた真っ直ぐになる直前
P8。インパクトでは少しのしなり戻りでヘッドスピードは最大化。フレームレートの影響でP7は見えなかった
P10フィニッシュ

このようにシャフトはしなり,しなり戻りと動き続けてスイングを形成しています。
そのため,スイングを途中で止めるなどを行なってしまうとこのしなりの運動を不規則にする原因となります。
そうなると,スイングの見た目は綺麗なのに上手くボールにコンタクトできない。飛ばないと言った要因につながります。

重要なのはシャフトが真っ直ぐに戻るポイント

シャフトフィッティングなどで重要な項目となるのが,しなり戻りシャフトが真っ直ぐになるポイントです。上記のように,P3〜P4間,P5〜P6.5まででシャフトが真っ直ぐに戻ることが理想とされています。

このポイントでシャフトが真っ直ぐに戻らない or戻りすぎているなどが起こっている場合,そのシャフトがあっていないのか,スイングにエラーがあるのか。見極めなければならないポイントになると思います。

シャフトフィッティングは何を見ているのか

自分に合ったシャフトを使うと上記のような理想的なしなりが実現できます。
では,シャフトフィッティングではどうすればこの理想値を実現できるのでしょうか。

このようなグラフを見たことがありますか?

これはSLAPという計測器でシャフトの負荷を計測しグラフに表しています
これが現代最も有効なシャフトフィッティングの手段の一つです。

このグラフはシャフトの横軸Xと縦軸Yの負荷を計測してグラフに表しています。
上記の表は私のデータです。

上から伸びているのが横方向のしなり,下が縦方向のしなりです。
黄色のエリアが切り返し。timeが0のところがインパクトです。
これをどう見るのか簡単に解説します。

まず前提として切り返しはプレーヤーそれぞれ違います。そのため,0.4付近に来ることもあれば0.3ぐらいになることもあります。SLAPではこの切り返した後を観察し 4つのブロックに分けます。

HARADAと書いてますが私のデータです笑

このようにわけ,1が手元,2が中,3が中先,4が先みたいなイメージです。ちょっとざっくりすぎますがこんな感じ。
私のデータを見ると1のエリアは線が上昇してます。ということは負荷をどんどん掛けてる感じ。
2のエリアは少しフラットになりかけてます。
3では上昇が止まります。
4では,線が急激に落下します。そのかわり下の線がインパクトに向けて大きく上昇しインパクトを迎えています

このように私のスイングはシャフトに負荷をかけています。
では,私の場合どのようなシャフト選択がいいのかというと,1のエリアでは強く負荷を掛けているので手元は硬め,23エリアでは少し負荷が弱くなってくるので普通から柔め,4エリアではまた負荷がかかってくるので硬めといったシャフトを選択した方がいいと考えられます。

SLAPアドバイザーであるニューヨークの宮崎タイキプロにデータを見ていただき気になるポイントからこんな提案も受けました。

https://www.instagram.com/taikiprogolf?igsh=dXQ1eWJ6OGNjcnNl
タイキプロInstagramはこちら↑


一つ上の画像で、2と3の間の線が入っているところに負荷の歪み(凹み)があります。この歪みは過去に合わないシャフトを使っていて,その影響で不自然なスイングをしていた可能性がある。とのこと。
なので,手元が柔らかめで先端に掛けて硬くなっていくシャフトも合う可能性がある
とのことでした。

SLAPはかなり長時間かけるシャフトフィッティングをごく短時間で的確にベストを叩き出してくれる優れた日本製のシステムです。
欲しい!笑

シャフトの理想値

ベストフィットしたシャフトはどのように動くのか
これは今まだ多くの論議がなされています。しかし,ほぼこうではないかという仮説が立ってきました。
それはこのように,シャフト全体が綺麗にしなり,インパクトを迎えることが理想的と考えられてます。

全体的に綺麗にしなる

綺麗にしなり戻ることで,インパクトでは理想的なフェースアングルが実現できます
しかし,最適ではないシャフトだと,全体がしなるのではなく一点が大きくしなりその他の部分はあまりしならない状態になります。こうなるとシャフトが潰れすぎ,安定したフェースアングル,スピードの実現は難しくなると考えられてます。

赤の部分が極端にしなる。シャフトが潰れるという表現

そのためSLAP計測データを見ながら剛性を合わせていき,負荷が強いところは硬く,弱いところは柔くしてあげると綺麗に全体的にしなるということを実現できるのです。

シャフトフィッティングではこのような要点を押さえ,プレーヤーの方に最適なシャフトを提供しているのです。
自分に合ったシャフトを使って,ベストパフォーマンスを出せる状況を作ってあげましょうね!

次回はスイングに焦点を当てて,バックスイングの取説をテーマに書いていきます!!

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