エネルギーロスについて、よく聞かれるワードとしては『ミート率』という言葉です。
このミート率はスイートスポットに当たったかどうか、ということではなく、ヘッドスピードに対してどれだけ初速を稼げたかということです。
今回話題としたいのは『パッティングにおけるエネルギーロス』です。
なんでパターのエネルギーロスがダメなのか。どうなれば理想的なのか。
CAPTOやパッティグのデータを使ってお話していきます。
エネルギーロスは全て効率的な方がいい?
ゴルフでのエネルギーロスは「全ての状況において効率的ミート率でいうと1以上がいい」かというと、必ずしもそうではありません。
フルスイングという状況であれば、ボールをできる限り遠くに飛ばす必要があります。そのため上限と言われているミート率は1.5(ヘッドスピードに対して1.5倍のボールスピード)を目指す方がいいでしょう。しかし、ショートゲームなど飛ばしてはいけない状況ではミート率が1以下の方がいいとされています(0.75〜0.5ぐらい)。
ではパッティングではどうでしょうか。私の考えではミート率は1になることが理想的と考えています。しかし現実的ではないので5%(0.95)以下を目標にすることがいいかなと思っています。ミート率1ということはヘッドスピード=ボール初速です。
もしここでミート率が大きく下がり、例えば20%もロスが起きると振っても振っても飛ばない。となり距離感がとても難しくなってしまいます。
パッティングでは距離感は最も重要な課題となります。距離感がブレてしまうと、パッティングのラインは変化するし、ロングパットでの3パットの確率が格段に高くなります。できる限りコントロールする。パッティングには必要不可欠な要素だと思います。
ヘッドスピード=ボール初速となると、距離感をヘッドスピード依存にできるのでより高精度なパッティングを実現できるようになります。

エネルギーロスを回避するためには
エネルギーロスを回避するにはインパクト時のフェースアングルとインパクトエリアがとても重要になります。

ロスの少ないインパクトでは、打ち出し(ランチアングル)が2度ほど(1〜3までが理想)、インパクトはできる限りセンターが理想です。
ランチアングルは自分のストロークに合ったロフトやオフセットのパターを使っているかどうかがかなり大切です。例えば、かなりダウンブローが強いのにセンターネックなどロフトも少なく、オフセットも少ないと

打ち出しがマイナス(こうなるとボールが跳ねてそれどころじゃなくなる)になり、エネルギーロスも大きくなります。前記したようにマイナス打ち出しなので、まともにボールは転がりません。
またインパクトエリアもとても重要です。
やはり、エネルギーロスを減らすためにはオフセンターヒットは最小限になるべきです。
これはストロークの方法を修正し、オフセンターヒットをできるだけしないように安定したストロークを獲得することが大切です。
加速度を0に
フェースアングルを安定させるためには、手元の加速度がとても重要な要素となります。

緑の線が理想値。インパクトでこの緑の線のように加速度0(インパクトで何もしてない状態)が理想的です。黄色と水色の線はプレーヤーがストロークした時の加速度です。インパクトでは、加速度が0に近づきクオリティの高いインパクトが実現できたと言えます(テークバック早すぎ問題はありますが…)。

このようなストロークになると、切り返しでフォロー側への加速が遅く、インパクトに向かってどんどん加速し、インパクト直前で加速度が落ちいわゆる「合わせた」インパクトになってしまっています。
この合わせる動きの影響でフェースの開閉が大きくなり、ミスヒットの原因に繋がるのです。
この波形のパターンの場合、切り返しのタイミングが遅いことが原因です。
スイングと同じように、バックスイングしてクラブが後ろに行っている最中に身体はダウンスイングする。この動きがパッティングにも必要不可欠なのです。
テンポを身体に刻み込む
加速度を安定させるに、まずはストロークのテンポを安定的にできるように練習しましょう。
このテンポが安定的であれば、ストロークの幅を大きくすれば距離感をコントロールすることができます。
BPMでいうと90ぐらいが平均的と言われています。現代だとスマホのメトロノームアプリなどを使えば簡単にこのリズムを体感できます。人によって早い、遅いあると思いますが大体±3までと思っています。
ゴルフスイングはこのテンポ感はとても重要なので、パッティングに限らずアプローチ、フルスイングにもテンポ感イメージしてみてください。
次回は、スイング改造、するなら身体から?それとも腕から?
どう取り組む方がいいのか。なぜに答えていきます。
コメント