#32 風と戦うのか、乗せるのか

コースマネージメント

春のシーズンのゴルフは寒さ、そして風との戦いになってきます。
風にはさまざまな対応方法があると思います。では、どれを選択するべきなのか。
状況を見ながら対応策を考えていきたいと思います。

風を読む

ゴルフコースの風は雨や気温などと同じようにとてもスコアに影響を与える要素になります。
しかし、オープンフィールドで行うゴルフは風は気をつけつつも助けてもらったり、戦わねばなりません。その時、風をどう読むのかこれが重要になってきます。

ティーグラウンドで芝生を少し千切って飛ばして風がどんな方向にどれぐらい吹いているのか。イメージすることがあると思います。
しかし、よくわからないがやってみてわかることだと思います。あくまでイメージは湧くかな?という感じです。
厳密に風を読むためには、やはり知っている人に聞くしかありません。コース在籍のキャディさん、そして、大御所のプレーヤーの方に聞くのが一番です。

プロトーナメントでは、この風もチェック対象です。
まずは基本の風と一致しているかどうか。これは気象データを元にコースで感じている風が同じかどうかチェックします。しかし、違うことがほとんどなので、実際はどのように吹いているのかプラクティスラウンドでチェックします。

風の重さ

風は同じ風速でも、大きく影響されたりそこまで影響されなかったり。さまざまです。
沿岸部では風にも塩分が含まれています。そのため少しの風でも多めに影響を見積らなければなりません。また、沿岸部のコースは防風林の中にコースを設計していることもあります。そのため、木の上の風と地上で感じる風は全く違うこともしばしば。そうなると、林の上を打っていくことはかなりリスキーなショットになります。

風の向きをチェックする

風向きのチェックには有効なのは木の葉や揺らめきを見ることが効果的です。
例えば、ピン近くの木々を見渡し、木がゆらめいている場合は風があると理解できます。そして、木の葉の向きを見て風向きを見ることもできます。
広葉樹の場合、葉の裏は白く、表は色が濃くなっています。フォローの場合、葉は裏側が見えることになります。そのため、ピン近くの木々の葉が白く輝いていたらフォローの可能性があります。

地形を理解する

コースの地形を理解することも、風対策に有効的です。

このホールはティーグラウンドは林に囲まれていますが、ホールの中盤から林がなくなります。そのため、ティーグラウンドとボールのランディングエリアは風が一致しない場合があります。
このような場合で風向きが判断できない場合は、リスクマネージメントを行い、低弾道のショットを打ったり、林がなくなる手前まで打ってセカンド地点で判断することもマネージメントとして考えられるホールです。

こちらのホールもボールが飛んでいる間は右の林の影響で、右からの風にはあまり影響を受けないでしょう。しかし、グリーン横では林がなくなっているので気をつけなければなりません。
また、左から風が吹いている場合、右の林に風が当たりグリーン手前側の風向きが不安定になっている可能性があります。その場合は、林より高いボールを打ち、風の予想できるルートを選ぶことも考えられます。温かい風は上に。冷たい風は下に向かいます。季節に応じて風を読むことも重要になります。

特殊な例をご紹介します。
このホールはフォローなのにボールがアゲンストのようにショートするといったことが多いホールです。このホールは特殊で、このホールの奥に大きなダムがあります。そのため、山から降りてきた風がダムで冷やされ更に下向きに吹き込みます。そのため、ホール中央で風向きが変わり、フォローなのにアゲンストになります。
このような特殊なホールもあるため、コースを知り尽くしたキャディさんやメンバーさんに教えてもらうのが一番です。

風に負けない

基本的な戦略として、風に負けないように打つのか。それとも、風に乗せて打つのか。意見が別れるところです。
私個人の意見としては、風が重たい沿岸部のコースでは風に負けないボールを打つべきだと思っています。なので、右から吹いていたら右に曲がるボール、左から風が来ていたら左に曲がるボールを打って相殺します。

怖いことはボールがどこで止まるかイメージできないこと。飛びすぎて、曲がりすぎてobやハザードに入ることはロスになります。必ずイメージできたり、リスクを回避できる選択肢を取るべきでしょう。

アゲンスト(向かい風)の場合、ボールを低く打つ他にスピン量を減らすことも要素として追加することも考えなければなりません。
スピン量を減らすためには、

  • ロフトを立たせる
  • 入射角を減らす(鈍角にする)
  • 軽く振る→フルスイングしない

といった項目が考えられます。
ウェッジショットでのアゲンスト対策として、9番アイアンや8番アイアンを使って80ydや70yd打つ場合も出てきます。そのため、普段から2番手上の番手で短い距離を打つ練習を行うこともとても重要になってきます。

風に対応するためには、さまざまな要素を考えなければなりません。
普段からさまざまな練習を行なってコンディションに対応できるように練習しておきましょう!

次回は世界のレッスン事情を解説していきます。

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