「スイングのストレス」ってほとんど聞いたことがないと思います。このストレスについて記載されている文献はほとんど見たことがなく、非効率的な運動とだけ記されることが多いです。
スイングのストレスとは、「スイングがプレーヤー自身に与える影響」そして「スイングが長時間継続して再現性高く実現できるか」ということを私は定義しています。
昨今のゴルフはsnsが普及し、情報過多の現状です。しかし、言葉の定義がなされてない現状があり、受け取り手の捉え方次第で、誤った情報を受け取ってしまうこともよくあります。先日のブログでは、AIの進出について書かせていただきましたが、そこでも定義されていない言葉で伝わってしまうと正しく伝わらない。なので、人を介してじゃないと伝わりきれないということがあるのです。
今回はスイングのストレスについて解説していきます。
ゴルフスイングのストレス
ゴルフスイングのストレスとても簡潔に言えば「スイングの抵抗」と言っていいと思います。
この抵抗が強いと、プレーヤー自身の身体に影響を与え最悪怪我につながったり、調子がいい状態を短い期間しかキープできなかったり。そんな状況を「ストレスが大きいスイング」と私は定義しています。
なので、スイング自体のストレスが大きいと、プレーヤーのメンタルにも影響を与え、練習しても上手くならない。どうせ上手くいかない。など、ネガティブな感情が働くためメンタルにもストレスになったりします。
このスイングのストレスは目視することが難しく、明確によくわかるのはクラブの振り遅れです。
この振り遅れというのも定義がされておらずとても難解です。振り遅れの定義は私の場合「インパクトの瞬間に手が加速する」現象を振り遅れと定義しています。同じように振り遅れと言われるのが、ダウンスイング直後にリードアームが身体から外れ、トレイルサイドの肘が背中側に外れてしまう(水泳の背泳ぎのような動き)動き。私はこの現象は振り遅れとせず「腕のポジショニングミス」としています。もちろんこの動きが入ると結果インパクト直前で手元が加速し、振り遅れを誘発します。
ゴルフスイングにおいて、クラブヘッドの軌道が大きくループする状態の場合、ストレスが大きくなりやすいです。また、身体にあってないアドレスをすることもストレスとなります。こちらは以前に記載したBalanceGolfの記事をご覧いただければと思います。
ストレスを目視してみる
ではスイングのストレスはどのようにみえるのか。ゴルフ業界では唯一観察できる機材を使ってみてみましょう。
フライトスコープ社が提供している「ミーボ+」。上位機種でも観察できるが、このシステムを提供しているのはフライトスコープ社のみです。

ではこの機器で何を計測するのか。それはゴルフクラブの「加速度」。
ゴルフクラブの加速度は、インパクトに向けての加速度合いを計測している。もしストレスが多いスイングの場合、この加速度が緩やかに上昇するのではなく、急加速急停止を繰り返し、大きな波状の波形を計測する。では、ストレスの少ないスイングの波形をみてみよう。

中央の縦線がインパクト。左からダウンスイング、右に向かってインパクトする時間軸。
ストレスの少ないスイングではこのように、緩やかな曲線状を描き加速が滞ることなくインパクトを迎えている。
では次にストレスの多いスイング。

インパクト100センチ手前で大きく加速度が減少し、その後加速している。
このようにストレスが大きいスイングでは加速度に窪みができ、この加速度の窪みを相殺するようにインパクト付近でアジャスト(フリップ、スクーピングなど)を行うことになります。私の定義ではこのアジャストを「手打ち」と定義しています。
バランスゴルフとの関係性
では先日行われたレッスンイベントでのデータをもとに解説します。

このイベントでは多くの方をスクリーニングし、ほぼ全員のパフォーマンスアップを実現することができました。飛距離が伸びた、曲がらなくなった。バランスゴルフでの取り組みはこの事項に非常に貢献します。そして、目視できない加速度も貢献していることが確認できました。

ビフォーではインパクト直前で急加速急停止を繰り返し、そして加速度が低下しているのに対し、アフターではインパクトまで緩やかに加速してインパクトしています。そのため飛距離も128ydキャリーが150ydキャリーまで実現できています。
このようにスイングのストレスを改善することによって、ゴルファー自身のパフォーマンスを向上し、様々な効果が得られます。
このように目に見えない新たな課題「スイングのストレス」は今後のゴルファーにとって課題になり、怪我やパフォーマンスにおきな影響を与えます。
私自身、このストレスをどう緩和させるのか。様々なメゾットから要素を抽出し、お客様に提供していきます。
次回はジュニアゴルファーの成長論。
どのように育成していくべきか。現場からお伝えしていきます。
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