#35 ジュニアゴルファーの成長について

ジュニア

今年度から私が監督するゴルフチームがジュニアリーグに参戦します。
このリーグはPGAが主催し、ジュニア2人1組でペアになり、スクランブルでマッチプレーを行います。
このチーム戦というのは、ゴルフでは高校大学の部活動や企業対抗、クラブ間競技などでしか体験できず、貴重な機会です。私はこのジュニアリーグから多くのことを学べると思い参戦を決意しました。
7月から初戦が始まります。応援よろしくお願いします。
今回はジュニアの成長について。教育論的な観点からお伝えしていきます。

運動ができない子供達

近年、少子化が進み深刻な国家問題となっているようです。しかし、子供がいないというイメージは私はあまりなく、独身の方が多く家庭がないという現状の方が強く思っています。そう言ってしまうと私もその一人です…さて、そんなことは置いといて運動ができない子供達。これは深刻な問題となっています。

ゴルフのジュニア世代はとんでもなくレベルの高いゴルフで競技がなされています。
高校生ぐらいになると、 試合で予選通過するとなるとアンダーパーは必須になります。なので、気軽にゴルフ部に入ってゴルフを始めましたと言っても、試合に出れるのはほんのわずか。選考にも選ばれないといったことは起きます。
さて、そんなレベルの高い子供達ですが実は運動が苦手だったりします。
ゴルフが上手いのに、運動ができないなんてないでしょ。と思われますが、実際はそんなことが起きています。ゴルフは少し特殊なスポーツです。ゴルフスイングは遠心力に左右されるため、運動神経がなくても打てるようになってきます。しかしそこが落とし穴になりやすく、ゴルフができる=スポーツが上手くなった。と勘違いすることが多くあります。
この勘違いは今後成長とともに表に出てきます。高校生レベルになってくると、露骨に現れプロレベルになると顕著です。

スキルVSテクニック

ゴルフや他のスポーツでもこの現象は多くみられるようです。特に専門的な動きを伴う運動は顕著です。
ではこの現象をどうクリアし、子供達が大人になった時パフォーマンスをしっかり発揮できるようになるのか。それには、スキルとテクニックのバランスをとることがとても重要です。
ゴルフの場合、どうしても専門的な運動が主になります。そのためテクニック至上主義になりやすいです。しかし、この重要なジュニア期にコーチまたは親がスキルを重視するようにトレーニングすることがとても重要だと考えています。
スキルとは、ゴルフだけに限らず全ての運動の基本的な要素を獲得することです。ゴルフスイングでは、ゴルフクラブを操作するというルールが絶対的にあるわけですが、形を決めてそこに当てはめるのではなく、体の効率的な運動を重視してその運動に沿ったスイングを行なっていくことで今後のパフォーマンスを育てていきます。

私のセッションではまずジュニアのご両親にこの事実を深く受け止めてもらい、セッションを行います。なので、半分遊んでるだけにみえるセッションでも、子供達に重要な体の動かし方を自分で考え行動に繋がるように導いています。
重要なことは運動を教えることも重要ですが、自分で考えることも促すことです。運動とは身体を動かすことですが同時に脳を動かすことも重要なのです。
身体を動かすためには脳が指令を送り身体を動かします。ジュニア期にはこの脳力開発もとても重要なのです。型に当てはめるレッスンは、間違いに気づきやすくレッスンを受ける側にもとても理解が早いことが特徴です。それと同時に自分で考えることを拒否しているのも事実です。(考えると思考の違い)
我々ジュニアを見るコーチとしては、子供達の脳の育成を明確にし取り組んでいくことが、今後の子供達のパフォーマンスに大きな影響を与えると私は考えています。

親の言葉は子供に大きな影響を与える

我々ゴルフコーチは言葉を使います。この言葉は大きな影響を及ぼします。
しかし、大人になるとどれだけいい言葉を使っても、時と場所、そして誰が発言したかでその人に与える影響力は変化します。
例えば、私がこうだ。というのと世界トップクラスのコーチがこうだ。と発言したのでは同じことを言っているのに、影響力が違うはずです。
そして、子供達の一番近い存在である大人は我々以上に子供達に影響を与えます。

子供達は私たちが思っている以上に大人たちの発言を覚えています。そのため、誤った言葉使いや他の人たちとの会話をも聞き取り脳に記憶として残します。
子供の頃に自分自身で考える癖を付けづに親の言うとおりに育てられると、大人になった時、自分で考えることが難しくなり答えがあるものは解けるが、答えのない発想や考え、オリジナリティを考えつかないと言ったことが起きてきます。
また、両親が頻繁に喧嘩をしていたり、電話越しに罵倒していたり、その現場を目撃するだけでも子供達には大きな影響を与えかねません。特に自己肯定感が低い子供達に成長しやすいと言われています。

なので、子供達に近い親は子供達の見えないところでも言葉使いを改めなければなりませんし、子供達に向けての言葉も慎重に言葉を選ばなければなりません。

子供達を認めてあげる

我々大人が子供達が健やかに成長できるようにするには、環境を整えてあげることが重要です。それは子供達が自発的に行動し、自分で考え発言できる環境でなくてはなりません。環境作りと言って親の引いた線路を進ませるのは違うことが理解できると思います。多くのアスリートや経営者の言葉をと、「過去に貧乏だった」「自分から行動しなければ変えられない」自分発の思考が多く聞かれます。主体的に行動することでしか変えられないと子供ながらに理解していたのです。
なので、子供たちの主体的な行動は抑制しないように、もし間違っている方向に進もうとしていたら、子供達と一緒に考え、誤りを修正していきましょう。こうすることで、子供達は自分を認めてもらっている。という感覚を覚えることができ、より主体的に行動することができるはずです。

私がレッスンやラウンドレッスンをする際、ここはこうだ。と言ったレッスンは行いません。しかし、ともに考え実践することで、よりプレーヤーとしてのレベルを向上できています。

よく周りから見て、優しいレッスンと言われますが、受講しているプレーヤーからするととんでもなく脳を使っているので疲労は半端じゃないと思います。ゴルフして体より脳が疲れるのです。

子供達もそうですが、大人も自分で考え工夫してゴルフができるようになるとレベルアップは実現できます。正解だけ教えてもらうのでは、その問いだけは素早く解けるが、応用が来たら全く解けない。
勉強もゴルフも同じなのです。

次回は肘先の運動について。
スイング中の肘先の運動について解説していきます。

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