カップインの確率を高めるために重要なポイントは、
- エイムポイントに打ち出せる(上下左右)
- 適切なスピード
- スピンの最適化
です。
もちろんラインを正しく読むことも重要です。しかし、パッティングの技術的な要素としてはこの3点かなと思います。今日はその中でも距離感について解説していきます。
なぜ距離感が重要なのか
まず距離感の重要性をお話していきます。
みなさんパッティングの際どのようなイメージを持って望まれていますか?
- ここに打ち出せば入る
- なんとなくこのへん
- 仮想のカップをここに設定して、ここに打つ
などなど様々な考え方があると思います。
そこで気にしていただきたいのは、「ボールが止まる位置」です。
もしカップが地中になく、カップ大の大きさの円の中にボールを止めるゲームだとしたら、全く違ったイメージになると思います。ボールが円の中に止めるイメージなのか、カップを通過して地面にあるカップに落ちるイメージなのか。
私がよく練習する方法は、カップに落ちる前提ではなく、カップ大の大きさの円に止まるイメージで練習します。なぜそうするのかというと、カップに落ちてしまうと本当の距離感を判断できなくなってしまうからです。
距離感が変わる=ラインが変わる
パッティングのラインをイメージし、エイムポイントを定めるときみなさんはどのように設定されていますか?
ラインを設定し、その後に距離感の順番でしょうか?
それとも、距離感を設定した後エイムを決めるのでしょうか?
まずはボールの打ち出し速度によってラインが変化することは理解していきたいです。
真っ平なグリーンで、距離をピッタリに打った場合、左に3カップ分曲がるとしましょう。
では、カップに蹴られない(入らない)限界の強さで打った場合、3カップより勾幅は減少します。
そうなると、エイムポイントがズレます。

そのためエイムを決めた後に距離感を決めて(イメージ)してしまうと、曲がらず入らなかったり、曲がりすぎたりといった障害が出てきてしまいます。
なので、まずは距離感をイメージしそれからエイムポイントを定めることが良いと考えています。
距離感を作る練習
距離感を構築する練習は様々存在します。
よく距離感が合いません。と、お話していただく方のほとんどが、いきなり長い距離の練習をしすぎています。まずは2メートルぐらいの距離をカップでちょうど止めれるように練習することをお勧めしています。やはり、ここでもカップに入れる練習では真の距離感を獲得できません。
2メートルの距離をピッタリの距離感で打てるようになったら今度は4メートルで挑戦してみます。
距離感は足し算引き算で計算できます。なので、平坦なラインでは2メートルの倍のエネルギーを与えると4メートル転がります。このように短い距離感でまずはピッタリ打てる(止められる)ように練習することで、距離感の構築ができてきます。
変化する距離感
この距離感というのは、ホールによって様々に変化してきます。
同じコースなのにこのホールは早くて、さっきにホールは遅かった。同じ日なのに距離感が違う。こんなことは現実問題としておきます。
まず知っていただきたいことは、グリーンは生き物です。そのため、芝も伸びますし、地面の湿度も変化します。コースによっては芝生の下の土壌、その下の環境もホールによって様々です。なので、コースによってスピードが違うという問題は発生してしまうのです。
コース側は最大の配慮をして、全てのグリーンスピードを統一できるように取り組んでいます。しかし、そもそもコースの特徴でスピードが変化してしまうことはあるのです。
なので、コースにいったんでたら、原因はグリーンのせいで私は悪くない。と自分を言い聞かせましょう。しかし、グリーンにもコース運営側にも非がないので「仕方ない」と理解することです。
打ち出し角
パッティングにもボールの打ち出し角はあります。そして、この打ち出し角は距離感に大きな影響を与えます。
みなさんは現代のパターと30年前のパターで何が変化したかわかりますか?
現代のパターはヘッドが重くロフトが少ない(3°〜2°ほど)が多く流通しています。これはグリーン整備のユニットが高性能化し、またグリーンの品種も短く刈り込んでも強い品種に改良され、グリーンの高速化が起きたためです。
しかし、30年前のグリーンは早くて10フィート、日本では高麗グリーンも多く存在していました。そのため、ロフトが多く(4°〜6°)ヘッドが軽いモデルが多くありました。グリーンの芝を短く刈ることが難しく、芝が長いためロフトの大きなパターで、強くヒットしなければならなかった背景があるためだと思います。
現代では、ボールの表面も硬く(スピン量が増える)なったため、パターフェースのミーリングを荒くしたり、インサートを施して柔らかい打感を作ることも行なっています。
なので、現代ではボールの打ち出し角は低く(スキッド期間を短くする)、かつ順回転になるようなストロークが良いとされています。

しかし、高麗グリーンや芝生が長い低速のグリーンには不向きだと考え、打ち出し角を増やすことも距離感をイメージしやすくする一つの手段だと私は考えています。

これはCAPTOでの計測値ですが、実測の方が確実だと思います。
クインテックというパターようの弾道計測器があります。その簡易版がスマホのアプリでありますので、そちらを活用するのも一つの方法です。

少し不安定なところもありますが、明るい時間なら正確に計測できます。
距離感の重要性についてご理解いただけたかなと思います。
カップに入れない練習もぜひ取り入れてみてください。
次回は、フリップスクーピング改善について解説していきます。
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