#7 ゴルフクラブをコントロールするために知っておきたい事

アイアンショット
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ゴルフはゴルフクラブをいかにコントロールするかが重要になってきます。
しかし、難しい事はゴルフクラブはスイング中とてもコントロールが困難であるということ。この事実はゴルファーの皆さんは特に感じているのではないでしょうか。


今回は、このゴルフクラブがなぜ思い通りに動かないのか。なぜスイングはこのような形なのか。を解説していきたいと思います。初心者の方にもわかりやすいような解説にしていきます!

ゴルフクラブは思い通りに動かない原因

さて、ゴルフクラブがなぜコントロールが難しいのか。そこにはまず物理的な事実を知っておく必要があります。

では、物事の理である物理について少し思い出してみましょう。
まず、地球上では物体には重力が働きます。この重力は物体の重心を地面方向に向かって垂直に引っ張ります。そこで重心というものはどこにあるのかの確認です。

重心はその名の通り物体の重さの中心を表しています。例えば辺の長さが等しい立方体があるとします。この場合、この立方体の中心が重心になります。青い点が重心です。

では、この立方体を縦に2つ重ねた場合、この2つ合わさった物体の重心は2つの重心のちょうど真ん中になります。

ちなみに、重さが違うと重心は重たい方に引っ張られる事になります。こんな感じ。

ふたつの物体の重心があり、上の物体の方が大きく(重く)重心が重い物体側に移動する。

では、この物体を少し大きくしてゴルフクラブの形状にします。そこでグリップ部分に力を加えてみます

重心を中心に回転しました。
このように、重心は重さの中心であり、重心から離れた位置に力を加えると回転し、その回転の中心となります

ゴルフクラブはこのように、重心がグリップから離れた位置にあり、重心から離れた位置にあるグリップに力を加えられると回転してしまいます。自分が思ったようにゴルフクラブが動かせない原因がここにあることが理解できる思います。
この回転を腕力や握力で解決することはかなり大変です。
ゴルフスイングでは遠心力が最も大きく働きます。男性のスイングスピードで約40kgの遠心力がスイング中にかかると計算されます。


40kgの力で振り回されているのをコントロール…難しいですね。なので、このクラブの回転をうまくコントロールすることがゴルフスイングの役割になって来ます。

クラブの回転方向をまとめてみる

ではゴルフクラブの回転方向をまとめてみましょう。
まず、アドレスしている状態からみる風景です。ここからテークバック方向に動かすと、ヘッドは反対方向に回転します。反対も同じです。

次は飛球線後方からのアングルです。
手を上に上げるとヘッドは下に回転します。反対も同じ。

重心の位置は変化してないと考えてくださいね(撮り方が悪い!)

最後はグリップエンドからシャフトに沿ってみたアングルです。
ここでは、若干の重心と力を加えられるポイントに距離がありますが、回転運動はほとんど起きないと考えていいです。勝手に動いてるイメージでOK(シャフトのトルク分だけかなって僕は考えています)

そして、回転がほぼかからない力のベクトルは、シャフトを軸した方向です。もちろんシャフト上に重心はないので、多少は回転しますが手前側に引く分に関してはかなり安定して動きます。

この力が複雑に入り組みながらゴルフスイング、そしてクラブの運動は形成されます。

あまりやりたくない動きTOP2

このように手の力のベクトル、それに伴って起こるクラブの回転ベクトルはイコールにならない。ということは、イメージ通り動かすことは難しいです。

では、スイングをどう行なっていくべきなのか。事細かく書いていきたいところですが、やはりスイングには個性があり色んなパターンが存在します最高効率のスイング=最高のスイングと言えないのはこのブログをご覧いただいている皆さんには十分に承知されていると思います。

では、これだけは抑えたい動きTOP2を上げさせていただきます。
僕の中では、これさえしなければしっかりインパクトできると思っていいます。身体の重心さえぶれなければ!

バックスイング時の重力に抗う

クラブをセットアップし、スイングしていきます。ほぼ確実に行われるのが、アドレス後、テークバックする動きです。この時に重要な変化が起きます

プレーヤーによって様々ですが、多くのプレーヤーはクラブヘッドを地面につけてそこからバックスイングしていきます。アドレス時、クラブが地面についているプレーヤーは、ヘッドが重力によって地面に接地しており床半力でその状態を維持しています。そこからヘッドは空中に動かされていきます。その時、地面から離れ、床半力を失います。そうなると、アドレスで形成された手首の角度が、クラブヘッドの重量落下によって手首の角度がなくなります。しかしプレーヤーはその運動に気付かずにテークバック、バックスイングしてしまいます。。そうなると、切り返し時にクラブと手の時間差が大きくなりすぎ降り遅れてしまう。といった症状が発生しやすくなります。また、時間差(ラグ)が大きくなる事によって、インパクト時に身体の回転を止めてインパクトしなければ真っ直ぐインパクト出来なくなるので、その反動でフリップやスクーピングといったバットエラーが併発します。

このエラーは実感することがとても難しいです。なので、スイング動画などで確認する必要があります。重力なんか普段の私生活で感じることないので(当たり前だと思っている)とても厄介なエラーです。

左手と右手の位置の差をつかう

このエラーは何か意識して直すというわけでもなく、ゴルフスイングを行なっていけば修正できるエラーです。しかし、今まで日本人が行ってきた回転というイメージがとても悪さをします

ゴルフスイングは背骨の前傾角を維持しスイングすることが推奨されます。しかし、運動として背骨を1本の直線のようなイメージを持って回転すると、なかなかゴルフスイング的な身体の回転運動につながりません。日本人は特に脚が短い(僕も短い!)ので特にイメージしづらいのです。
なので、日本人は背骨に沿った回転の他に左右の肩の上下動も意識しながら行うと、ゴルフ的な回転運動が成り立ちやすくなります。

そこで理解できるのは、腕の末端の手の動きで、バックスイングでは左手が体から離れるように動き、右手は少し近づく感じになると思います。このテコの動き。そしてグリップの左手と右手の位置の差を利用することで、クラブの重力落下を防ぐことができます

わかりやすいのが、左手は掌底部のみ、右手は親指、人差し指のみでクラブを持ちます。そしてバックスイングする動きを行ってみると、左掌底部でグリップエンド部を支え、右指が支点となってクラブヘッドを持ち上げてることが簡単に行えると思います。

この運動を使ってバックスイングを行えると、テークバック時の重力落下に耐えることができ振り遅れを防止することができます。

インパクトでは手が減速する

最後はインパクト時に多くのプレーヤーが行ってしまう動きドラッグです。
このドラッグ(やばい薬的なイメージ)は目に見える動きではなく、また動画撮影しても見える動きではありません。gearsやSLAPなどスイング中のシャフトのしなり、ヘッドの加速度が見えないとわからないエラーです。目に見えない→やばい。みたいな言葉のセンテンスなんでしょうね。

さて、ゴルフスイングでは加速度というものがとても重要になってきます。フルスイングはもちろん、アプローチからパッティングまでとても重要になってきます。
そして全てのスイング、ストロークで共通することは、手のスピードはインパクト直前で減速するということです。

減速をどう作るか

フルスイングでは、ヘッドスピードがダウンスイング以降どんどん加速してインパクトすることが理想的です。しかし、最大速でインパクトを迎えたいと思い頑張ってハンドスピードをインパクトで加速させようとすると、上記で示したように、ヘッドは回転してしまいヘッドを加速させたいのにヘッドは逆に減速してしまいます。←振り遅れ。手を減速させなきゃ→手または身体をインパクト直前で止める→フリップの原因。となるのです。いかに正しく手を減速させるかが大切です。

リリース

ここでリリースという言葉が出てきます。
リリース→解放。という感じです。このリリースができると、理想的なハンドスピードの減速フレーズが獲得でき、ヘッドスピードは最大速でインパクトを迎えやすくなります。

リリースというのも、実は動作がこうなればリリースできたと動きで合否を確認できるものではありません。やはり、ハンドスピードを確認できるgearsなどでなければ難しいです。
しかし、一つ特徴があります。手の軌道です。

正面から手の軌道(ハンドパス)を見てみます。ツアープレーヤーのインパクト付近を見てみると、ハンドパスの最下点は右の太もも前か身体の中央です。そこからハンドパスは上昇しながらインパクトを迎えていきます。

JTのスイング。ハンドパスの最下点は身体の正面〜右腿側(赤丸)

ではドラッグプレーヤーを見てみます。
ハンドパスの最下点はボールか左もも前です。それより飛球線方向に動くこともあります。

ゴルフ初めて3ヶ月のIちゃん。このあとリリースは改善してます。

この動きが目に見えてわかりやすいリリースの合否なのかなと思います。

身体でハンドパスを作る

このようにハンドパスが最適なポイントで上昇することで、リリースが行われクラブヘッドが最適なダイナミックロフト(インパクト時のロフト)でインパクト出来き、また最大速のヘッドスピードを獲得できます

このリリースの動きをどう作っていくか。これも様々な形があります。
多くのパターンは左脚の伸びる動作。これで地面から得られる床半力を最大化させリリースを行います。

身体の身体的特徴、怪我などによって左肘を抜いてリリースする選手ももちろんいます。でも、共通することは手が上昇することなのです。

身体が伸び上がる→トップはしない

よくある質問です。身体が伸び上がってトップするんです。というエラー。
どれだけ前傾キープの練習しても解決されません
と質問を受けます。

まず、ここまで読まれた方はもう理解できると思いますが、前傾をキープしようとして身体を低く、手を低くしていっても、手が地面方向に力を出す→クラブヘッドは逆に上空方向に回転する。運動になります。そのため手元が上昇しなければクラブはリリースされず地面に触れることは難しくなります。←フリップやスクーピングの原因

多くの場合、トップになるのはローポイントがボールより手前(右足側)にきてしまっていること←スウェイスクーピングなど。
身体が起きてしまうように見えてる場合、バックスイングですでに起き上がっていることが原因のことが多いです。ダウンスイング以降、身体が伸びれば手元も上がりクラブは地面方向に落下します。なので、ダウンスイングより前に伸び上がっている可能性が高いのです。もちろんびっくりするぐらい伸び上がるとトップします

クラブの動きと身体の動きの誤差

このようにクラブの動きと身体の動きには誤差があります。そのため、プレーヤー自身はコントロールしているつもりでもコントロールできていない場合が多いのです。

しかし、このような動きの誤差があるということを理解できていればコーチのレッスンやアドバイスはとても理解しやすくなると思います。

とても難しいゴルフ力学。また目線を変えてみていければと思います。

次回は集中力について。ブレない集中力を構築するには。お楽しみに!

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