今回はフィネスウェッジの基本となる部分を解説していきます。
このベースを覚えておけば、フィネスウェッジの技術は格段に向上していきます。
まず、フィネスウェッジってなんだ?と言うことですが、50yd以下のショートアプローチをフィネスウェッジと言います。日本ではアプローチショットは100yd以下のショット全てを指すイメージですが、アメリカや海外ではアプローチショットは全てグリーンを狙うショットを指します。なので、100yd以下はショートゲーム、50yd以下はフィネスウェッジなんて言い方をします。
ですので、今回は50ヤード以下の飛ばさないアプローチショットにフォーカスを当てていきたいと思います。
どこまで精度を上げれば上手いと言えるのか
まず、全てのショットを寄せるまたはカップインさせるのはほぼ不可能です。はたして、どれぐらいの精度が出ればフィネスウェッジがうまいと言えるのか。まずはそこをみてみます。
ではdecadeで表されているストロークゲインをみてみましょう。
50yd以下の平均ストロークは
50yd:フェアウェイ2.65打・ラフ2.82打・バンカー3打
40yd:フェアウェイ2.6打・ラフ2.78打・バンカー2.82打
30yd:フェアウェイ2.5打・ラフ2.7打・バンカー2.65打
20yd:フェアウェイ2.4打・ラフ2.59打・バンカー2.53打
です。この数値はPGAツアーの選手の平均ストロークになります。すごく単純ですがこの数字に近いまたは、この数字より上手いとなるとフィネスウェッジは上手いといっていいと思います。
もちろんここにはパッティングの数も含まれているので、パッティングが上手な選手は平均ストロークが下がります。しかし、4mも残りのパッティングを残してしまうと入る確率が30%を切るので、このフィネスウェッジの精度というのはとても重要になると思います。
まずは難しいライではなく、簡単なライで取りこぼさないことに重点を置く
さて、具体的な目標が見えてのでこれからこの数字を戦っていくわけですが、練習で最も重きをおいてほしい状況があります。
難しいライは練習しないこと。
フィネスウェッジを上手くなる秘訣は簡単なライからのチッピングを取りこぼさないことにあります。
やはりツアー選手でも、難しいライはほとんど寄りません。TVでは視聴率が上がるので、困難なライや難しい技術(ロブショットやスピンショットなど)で寄った場面が映りますが、ほとんど寄らないのです。難しくないところから寄った場面を見ても「そらプロだから当然だよね」みたいに見えるので視聴率は上がらないのです。しかし、上級者になるほどその簡単なライから寄せる技術や集中力に感銘を受けるものです。


シャフトリーンを統一する
さて、実際にチッピングの練習をしていきましょう。
まず行っていきたいことは、ダイナミックロフトを安定させることです。
ダイナミックロフトとは、インパクトした瞬間のロフト角のことを指します。
このロフトが変わってしまうと、飛距離とスピン量が変化するので距離感が合わなくなります。
では、ダイナミックロフトをどう管理するのかというとシャフトリーンです。
また訳のわからない言葉が出てきたかもしれませんが、シャフトリーンとはシャフトの傾きを指します。インパクトの瞬間のシャフトリーンはダイナミックロフトと大きく関係しています。
50yd以下なので、そこまで大きくシャフトがしなるわけでは無いので、このシャフトリーンがダイナミックロフトを左右します。
ここで注意点ですが、ダイナミックロフト=打ち出し角にはなりません。ここには摩擦や入射角、インパクトエリアなどが絡み合うためこの式にはならないのです。もちろんボールも大きく影響を与えます。
フィネスウェッジの基本はシャフトリーンは地面に対して垂直〜少しだけディロフト(ロフトを立てる傾き)がいいと思います。このディロフトの加減はお使いのウェッジのバンスによって変化します。
ローバンスのウェッジを使っているならシャフトリーンはできる限り垂直がいいでしょう。

フォローでわかる振り遅れ
なぜシャフトリーンがディロフト側に倒れるとよく無いのか。そこは振り遅れと大きく関係しています。
ショートゲームで振り遅れ?と言われても訳がわからない方はぜひ前回のクラブ力学についてご覧いただければと思います。
このフィネスウェッジでも振り遅れは発生し、フェースコントロール、ロフトコントロールが困難になります。ということは、上記に挙げたストロークゲインより悪い数値になる可能性が出てきます。
シャフトリーンがコントロールできずにロフト、入射角、フェースアングルがコントロールできないプレーヤーの特徴はフォローにあります。

このフォローを見るとよくわかるのですが、過去の左のチップでは腕が身体から離れて手の位置よりヘッドが低いです。
それに対して。右は手が身体に近くそして手の位置よりヘッドが上方にあることがわかります。
振り遅れになっていない場合、フィネスウェッジではフォローで手元よりヘッドが高い位置に来ることが多いです。手が身体から離れると、飛距離を伸ばすのであればスイングプレーンが大きい方が力積が大きくなるので理想的ですが、フィネスウェッジでは飛ばしてはいけないショットなので理想的とは言いません。知花選手の場合、身長より腕が長いためフォローで左肘を曲げてリリースすることでショートゲームの精度は格段に向上しました。
また、右のようなヘッドが高いポジションを無理やり作ることも意味がなく、これも振り遅れの原因となります。見た目ではなくスイングした結果こうなることが理想的です。
スタンスはスクエアでもクローズでもいい
そしてもう一つこだわりたいのはスタンスです。
スタンスは過去はオープンでなければいけない。などありました。
しかし、現在では多くのツアープレーヤーはオープンスタンスの選手は少ないと思います。むしろクローズの選手も見かけます。
ですので、スタンスについては自分がやりやすいスタンスで行っていただくことがいいと思ってます。
もちろんライによってオープン、スクエア、クローズを使い分けられると理想的ですが、ベースとなるスタンスはやりやすいスタンスでいいと思います。
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フェースの開閉に慣れる
そしてフェースの開閉に慣れましょう。
これには慣れが一番大切です。
多くの方が打ち出し角を高くするチッピングが苦手です。トップしたり、ダフったり。
実はこのエラーは自分でフェースアングルを変えて打ってしまっている典型的なパターンです。
アドレスでフェースを開く→シャフトリーンを傾けずそのフェースアングルのまま打つ。
これができればボールは高く舞い上がります。しかし
アドレスでフェースはスクエア→スイング中にフェースを開く→ローポイントがずれてダフる、トップ
という状況を自分で作ってしまっているパターンがとても多いです。
練習場でまずはフェースをスクエアにして、振り遅れることなくインパクトできるように練習しましょう。
その後、フェースを開いてもその状態のままインパクトできるように練習しましょう。
練習量が多ければ上手くなるフィネスウェッジ。しっかり練習して目標のストロークゲインまで技量を伸ばしていきましょう!
次回は記念すべき10投稿目。80台を目指すプレーヤーに送る記事にしたいと思います!
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