ゴルフのグリップはゴルフクラブと身体が唯一接するところ。
とても重要度の高い箇所となっています。しかし,周りを見渡してみれば誰1人同じようなグリップをしているプレーヤーはいません。
はたして理想的なグリップとは一体何なのか。グリップの役割やスイングとの相性について解説していきたいと思います。
グリップはそもそもどういう役割なのか
まず,グリップの役割を洗い出してみましょう。
グリップはゴルフクラブとの唯一の接点です。スイング中に発生する遠心力に対して耐える力がいるポジションです。そのため,ゴルフクラブの構造は,グリップエンドにかけて太くなっており,遠心力に耐えられるような構造になっています。

じゃあ野球のバットのように大きく張り出したグリップエンドにすればいいじゃないかと言われますが,ゴルフのルール上グリップは丸く大きな凹凸のない形状でなくてはいけないため,バットのような大きなグリップエンドを作ることはできないのです。
パターに限り,一部の平面を作っていいとなっています。
このグリップエンドはのちに重要な要素になってきます。
グリップの形は千差万別!しかしルールがある!
じゃこのグリップの形って何がいいの?
ってことですが、これははっきり言って人それぞれ違います。
まず、人それぞれ身体の構造が違います。身長より腕が長い人、短い人、腕が上腕より前腕が長い人、極端に前腕が短い人、腕が普段から内旋、外旋してる人、前腕の回内、回外の差、手のひら、手の甲の長さ、指の長さ、ナチュラルな手首の背屈、掌屈などなど。
様々な要素が絡み合ってグリップを形成しています。
私たちが推してるBalanceGolfではスクリーニングを行なって、各個人の骨格情報からベストなグリップを導き出すことができます。

私の中では、とあるルールが存在します。
それを今回はご紹介します。
ナチュラルがベストなのか?グリップ問題
グリップの形には色んな意見があります。骨格に沿ったナチュラルがいいのではないか。ストロングだ、ウィークだ。いやいやスクエアだろ(スクエアってどこだよはっきりしろよ!陽平心の中の叫び)

などなど。色んな意見があります。
じゃ、どう決めようか。と。
とりあえずスイング中にしなければならないことをチェック。
- スイングの遠心力に耐えること
- フェースアングル・クラブをコントロール
- 強く(早く)スイングできる
- フィーリングを出すことができる
こんな感じかなと思います。
この項目をクリアできるグリップを作り上げる。そうするとその人に合ったグリップが形成できるのではないでしょうか。
約40キロの遠心力に耐えられるように
大人の男性で、ヘッドスピードがある程度ある方でだいたい40キロスイング中に遠心力がかかると言われています
なので、この遠心力に耐えられるグリップ作りが必須になるのかなと思います。
遠心力に耐えられるということは、もっと早くスイングしてもびくともしない!ということになるので、ヘッドスピードアップにも期待できるかもしれませんね!
ゴルフクラブのグリップは、丸く細い形状をしています。初めてグリップを握られた方は「ほそ!」てなったと思います。慣れちゃえばこんなもんだよね。ってなるんですが笑
さて、この細くて丸いグリップどう握ればいいでしょうか?
では、人差し指を出してみましょう。
そしてその人差し指をグリップしてみます。そこから、人差し指を引っこ抜いてみましょう。
そうすると、ある一定の場所で引っ掛かりが強くてなかなか抜けない場所が見つけられると思います。
その場所でグリップしてあげると、軽い力でもクラブが飛んでいかない状態を作れると思います。

軽い力でクラブが飛んでいかない。ということは、別のところにフォーカスを置くことができるので力まずにスイングでき、ヘッドスピードも向上できると思います。
力を最大限クラブに伝える
今度はクラブを思いっきり振りたいので、ちゃんと身体の力が伝わるかどうかテストしてみましょう。
1人の人がクラブをもち、クラブを引っ張り合います(折れないように注意してね)
この時、腕の腕力ではなく身体の力を使って引っ張れるかどうかをチェックします。
体幹、脚全てを動員して上手くクラブを引っ張れればとてもいいグリップポジションにあると言っていいと思います。
上手く引っ張れない、負けてしまう場合、グリップをストロング方向、ウィーク方向に回転させて再度試してみましょう。
そこで強く引っ張れるグリップがいいと思います。
もちろんここには、肩甲骨のポジションや上腕の回旋角度もあります。自分に合ったポジションを探しながら行なってみましょう。
グリップエンドの位置を決める
私が子供の頃、グリップエンドは残してグリップしなければならない。と教わってきました。しかし、それだと上手く握ることができませんでした。
そこで、色んなプロのグリップを見てみるとほとんどのプロがグリップエンドを余らせて握っていなかったのです。
なんでやろか?ここには深い理由がありました。
アドレスからテークバックに入る際、ヘッドは空中に持ち上げられます。その時、ヘッドは重力によって地面方向に落ちようとします。プレーヤーはこのヘッドの重力落下をコントロールしながらバックスイングしなければなりません。
その時に重要なのが、グリップエンドです。このグリップエンドを左手(左利きまたはクロスハンドの方は右手)の掌底でグリップエンドを押し下げることで、ヘッドの重力落下を防ぎバックスイングしてるのです。
ここでちゃんとグリップエンドを抑え、重力落下を防がなければ振り遅れを招く原因にもなるのです。
グリップエンドのポジションにはとても重要な役割があったのです。
なので、グリップエンドは手の掌底に噛ませる形、もしくはグリップエンドギリギリでグリップした方がいいと私は考えてます。
この自由落下について詳しく書いていますので、ご参考になさってみてください。
フィーリングは右手の役割
さて最後は右手です。
この右手の重要な役割は、フィーリングを出すこと。クラブをちゃんと受け止めること。です。
右手のグリップは左手リードサイドのグリップが完成してからです。
と言っても、作りはとてもシンプル。右手片手でグリップしてスイングしてみます。ちゃんとトップでクラブを受け止められる。スイングしてもガクガクしないのがいいポジションでしょう。
重要となるのは親指、人差し指、中指この3本です。この3本でクラブをしっかりコントロールしていることが大切です。

そして、右手グリップはショートアプローチでは有効的に使っていくべき手です。フルスイングは左手主体ですが、ショートゲームは右が主体になるのです。なので、アプローチだけグリップの形を変えるのは有効な手段なのです。
過去の全英オープンチャンピオンにクロスハンドグリップでショートゲームを行なっていたプレーヤーがいましたね。
右手というのは、フィーリングを出すのにとても重要な役割を担っています。そのためウィークになることは珍しく、スクエア〜ストロングになる傾向が強いです。片手でアプローチなど行なってみると、フィーリングの出しやすいグリップが見つけられると思います。
ところでスクエアってなんなん?
はい。ここにも色んな捉え方があります。例えば、左の握り拳が2つ見える角度がスクエアと言ったり、2つ半と言ったり様々です。
では何を持ってスクエアとするか。これは担当するコーチによって変化するかもしれません。
私の場合、何も考えずにリラックスした状態で直立し、その時の手の甲の向きを基準とします。
そこからゴルフの前傾を作ってみて変化が起きるかどうか。変化がなければその角度をスクエアと定義し、変化があれば直立時の手甲の向きに近いところにスクエアがあると定義します。

なので、腕のつきかたや普段の立ち姿勢、腕の可動域などからスクエアを導き出すことになると思います。
しかし、スクエアにグリップしても上手く握れない、パワーを出せないとなると私はそこから変化を加えることが必要だと考えてます。
グリップについていかがでしたでしょうか?
色んな考え方があり、また決まったグリップの形を推奨するスイングもあります。
ゴルフには正解がなく、自分に合っているかどうかがとても大切です。
自分に合うグリップを探してみましょう!
次回は練習場の有効活用!レベルアップの効率化を解説していきます。
お楽しみに!!
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