今回はゴルフスイングのスタートと言えるバックスイングについて解説していきます。
テークバック→バックスイングってどうなればいいの?
何が正解なの?
色んな考え方がありますが,とりあえずバックスイングの目的,そしてどうすることが理想的なのか。
オーバースイング?ショートアーム?
バックスイングにおける様々なことを簡単に解説していきます。
とりあえずバックスイングって何?
さて,今回の題材となるバックスイングですが,何をもってバックスイングなのか。そこを定義していきます。
まず語句から考えられる動きとしては,バックとスイングに分けられ簡単に和訳すると後ろにスイングと言い換えられます。なので,Pシステムでお話するとP1〜P4手前までがバックスイングと言えると思います。なのでこのスイング区間はバックスイングといっていいと思います。
しかし,テークバックという言葉もあります。どこのこと?となると私の意見としては,P1〜P2がテークバックとしてます。なので,P1〜P4の手前までがバックスイングでその中にテークバック(動き出しってイメージ)という感じです。
なので,今回はP1からP4手前までをバックスイングと定義してお話を進めていきます。
トップP4って何?
ここで問題が出てきますが,トップの定義です。
私にとってトップというのは切り返した後と考えています。
動きとしては,バックスイングで振り上げられたクラブが慣性としなり戻りで,後方に振られていきます。そこで身体はダウンスイング方向に動き出し,その力同士が拮抗し合いトップになるという構造です。

効率の良いバックスイング
では,効率の良いバックスイングを解説していきます。
ここで重要なのは効率的というだけで,プレーヤーその人個人にとってベストなバックスイングではないということだけはご理解いただきたいです。
まずバックスイングでは以下のことに注意したいと考えています。
- クラブの重さを支える
- 身体の前傾をキープする
- 肩を挙上させない
- 堅めるのではなくしなやかに強い
- P4で運動を余らせない
このポイントが抑えられていればかなり効率の良いバックスイングではないかと言えます。
では一つずつ解説していきます。
クラブの重さを支える
アドレスしテークバックが始まります。この時,クラブが地面に接地した状態から始めると,クラブヘッドが地面から離れることで,重力によってヘッドが地面方向に引っ張られます。
この時に,クラブが地面方向に落ちないようにクラブを支えられるかがとても重要になってきます。
これは以前に,クラブコントロールについて解説した時にお話していますので,今一度ご確認いただければと思います。
この重さを支えるのは,クラブとの唯一の接点であるグリップされた手です。
以前の記事では,手にフォーカスを当ててますが,できる限り身体の動きで手、腕を動かすイメージを持っていただいた方がいいです。そうなると次の課題である身体にも繋がりやすくなってきます。
身体を動かす→前傾が崩れない
前傾を崩さないようにバックスイングする。簡単に見えてなかなか難解な運動です。しかし、この動きができなければクラブの重さを支えることは難しくなるし、ダウンスイング以降にパワーを発揮することも難しくなってきます。
バックスイング、ダウンスイング、フォローと身体の体幹の動きは、筒のようなイメージで回転できると身体に負担が少なく、スムーズな運動になります。
しかしただ筒のイメージで回転しても上手くいきません。体幹は回転、側屈、伸展と3つの運動が合わさってできています。この中で側屈と伸展についてはできるだけ運動としては少なめにすることがいいとおもいます。

体幹を上手く動かすためには、下半身の運動も必要不可欠です。
動きとしては、バックスイングでは右の膝が伸びて、左膝は左つま先方向へ曲がっていきます。そうすることで、骨盤も体幹の斜めに合わせて回転します。
ダウンスイング以降はバックスイングの逆で、左膝が伸びていき、右膝は曲がっていきます。

このように下半身で体幹の運動を作っていくことで安定した体幹の動きを実現できます。
肩の挙上はエネルギーロスにつながる
肩(肩甲骨)というのは、ゴルフに限らずスポーツパフォーマンスのおいても重要なキーとなる部位です。
基本的に肩甲骨は下制、内転が良いポジションと言われています。しかし、現代社会で生きる我々はスマホやパソコンなどに慣れ浸しむことで、肩甲骨の位置が挙上、外転といったパフォーマンスを発揮し辛いポジションになってしまいます。そのため、ストレートネックや胸郭の屈曲など可動域に制限を掛けてしまう状況を自分自身で作ってしまっている状況です。
普段の生活から、肩甲骨は元より姿勢について意識して過ごすことが重要になってきます。

バックスイングでは、胸郭に対して腕を大きく使おうとしすぎる時、肩甲骨の外転に制限があるのに大きく動かそうとしてしまい、その際に肩の挙上する運動が多く見られます。

そもそもゴルフの場合、肩甲骨、腕というのはそこまで大きく動かす関節ではありません。
むしろ安定させることを求められる関節です。なので、スイング中は常に肩甲骨の下制を意識してスイングする方がより安定度、エネルギーを出すことができます。
バックスイングで挙上してしまうと、もう下制のポジションに戻すことはできないでしょう。
大きくバランスを崩すポイントでもあるので、抑えたいポジションエラーです。
強くしなやかに
ゴルフスイングは強くしなやかなスイングが理想的です。
なかなかその力感というのは掴みにくいです。多くの方は、グリップに力が入りすぎその力が肘先までも硬くしてしまいます。
グリップはある程度しっかりマッチしてグリップされている。そして、クラブを振る腕はリラックスしているが、しなやかな強さがある状態が理想的です。
ここはゴルフクラブを振っていてもなかなかしなやかさを感じることはできません。
なので、先端が動くようなグッズや、柔らかいシャフトを使ってそのしなやかさ、運動のベクトル、スイングする音を聞きながら動きを感じ覚えていくことがいいと思っています。
私のレッスンでは、mach3のグッズを有効活用しこの強さとしなやかさを実現しています。

mach3グッズを振っていくとわかってきますが、力み=強いスイングではなく、適度な安定感がしなやかで強いスイングを実現してくれることが感じ取りやすくなります。
mach3speedtrainingについて簡単に紹介しています↓
スイングの余り
スイングの余り。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ゴルフスイングにとって無駄部分が余りと表現されます。
バックスイングでの余りとは、P4の段階で身体の動きは反対方向に動き出し、シャフトの負荷を受けている状態です。しかし、余りがあると、このシャフトの負荷を受け止めるタイミングが遅れ、インパクトでの振り遅れやフリップといったインパクトを合わせる動作を併発します。
余りは人によって様々な形で現れます。最も多い余り動作はオーバースイングと言われるものです。
オーバースイング=大きく振りかぶりすぎ。と解釈されやすいですが、ジョンデイリーや横峯さくらなど大きなバックスイングで活躍してきたプレーヤーもいます。なので、トップが大きいからオーバースイングというのはいい表現ではないと私は考えています。
じゃ何をもってオーバースイングなのが。それはインパクトでしっかりリリースが間に合うかどうかです。上記でも言った通り、余ると振り遅れます。なので、インパクトがブレ、リリースが合わないことが多く見受けられます。
スイングになぜ余があるのか。多くの場合はアドレスが適切ではない。テークバックで身体と腕を同調させずにスイングしてしまう。これが原因になることが多いです。ジュニアに多いのは、スイングに筋力が追いついていない。ことも原因としてあります。

スイングの余りを減らすには、まずは適切なアドレスをとること。特に上記でも記した体幹の動き、肩甲骨がキーポイントになります。クラブの重さ、身体の繋がりを大切にしてスイングすることでスイング中の無駄な動きは改善されていくでしょう。
バックスイングはスイングでも意識で修正できる動きです。
多くの問題はバックスイングで起きていることが多いので、ぜひ参考にしてみてください!
次回はグリーンリーディングについて解説していきます!
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